デフレ脱却のきざしが見えない中で国内の失業率も高止まりしたまま、残念ながら仕事を探す側にとっても、短期的な雇用状況の改善は期待できそうになく、就職活動の長期化をある程度覚悟せざるを得なくなりつつあります。
健康保険や税金・年金の手続きに直接的に関わる話ではありませんが、ここでは失業に関わる備えとしてぜひ知っておきたい、「国・公的機関が行っている、主な支援制度」をご紹介します。
・「求職者支援制度(2011年10月開始)」
期間限定の雇用対策として、国は2009年7月から「緊急人材育成支援事業」を実施していましたが、その制度実績を踏まえて仕組みを恒久化し、2011年10月1日から「求職者支援制度」をスタートさせました。
あくまで「新たな法律・新たな制度」として実施されるため、これまで行われてきた緊急支援事業に比べて、本人の収入や世帯の金融資産などの受給要件が厳しくなっていることに注意が必要です。
訓練コースの内容や実施場所を含めた詳しい内容は、以下のURLでご確認ください。
・平成23年10月から「求職者支援制度」がスタート(厚生労働省)
・求職者支援訓練の認定申請(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)
この制度のポイントは、支給要件を満たした求職者が住所地のハローワークに申し込むことによって、審査通過後に「求職者向けの訓練を受けながら、月10万円の給付金と交通費(通所手当)を原則として最長1年間受けることができる」ということです。
雇用保険の加入期間が足りなかったり、失業しても生活保護に頼れない(あるいは頼りたくない)人に対してのセーフティネットとしての役割も期待されている制度です。
(給付金支給のための主な要件)
・本人収入が月8万円以下
・世帯の収入が月25万円以下
・世帯の金融資産が300万円以下
・現在の住まい以外に保有不動産がない
・同一世帯で同時にこの給付金を受けていない
・過去にこの給付金を受けていた場合は、6年以上経過していること
求職者は、受講料が無料(テキスト代は自己負担)の「求職者支援訓練」を、3~6ヶ月間受講することになります。
訓練中および訓練終了後も、求職者は月1回ハローワークに出向いて就職相談・報告等を行なうことが義務づけられています。
これらを怠ったり、病気などを除いて一度でも訓練を欠席した場合は給付金が不支給となったり、過去にさかのぼっての返還命令が出される可能性もあります。
また、この給付金だけで生活費が不足する場合に、労働金庫(ろうきん)の融資制度を利用した月5万円(同居配偶者・父母がいる場合は月10万円)の貸付を別途受けることができる「求職者支援資金融資」もあります。
ただしこちらはあくまで「借入」ですので、ろうきん所定の審査があることや、「就職後も返済の免除措置がない」ことに注意が必要です。
・求職者支援資金融資制度(ろうきん)
知っておきたい、国・公的機関の失業者向け支援制度(2) に続きます。