知っておきたい、国・公的機関の失業者向け支援制度(1)からの続きです。
・「総合支援資金貸付」
各都道府県におかれている社会福祉協議会(ハローワークではありません)がこれまで運営していた、低所得者への生活資金の低利融資を目的とする「生活福祉資金貸付制度」は1955年から続いていた制度でした。
しかし貸付資金の種類が10種類にわたるなど複雑で、また融資条件も厳しめで大変使いにくい、とこれまで批判が強かったことなどを背景として、2009年10月にこの生活福祉資金貸付制度が全面リニューアルされ、貸付資金の種類が簡素化された上で融資条件も緩和され、申請しやすくなりました。4種類ある生活福祉資金貸付の中の1つが、この「総合支援資金」です。
総合支援資金についての問合せおよび申請の窓口は、ハローワークではなく「市区町村の社会福祉協議会」なので、注意してください。
なお、2015年4月から「生活困窮者自立支援制度」がスタートしています。これによって、総合支援資金を希望する場合は、「自立相談支援事業(生活困窮者自立支援制度の一事業)」の利用が、借入のための要件となりました(既に就職が内定している場合等を除く)。
「総合支援資金貸付」のポイントは、以下のとおりです。
・失業あるいは収入減によって生活が困窮した人のために、生活費及び一時的な資金を貸し付ける制度で、以下の3種類に再編成された。
(1)「生活支援費(貸付限度額月15万円以内〔2人以上は月20万円以内〕)」
(2)「住宅入居費(貸付限度額40万円以内)」
(3)「一時生活再建費(貸付限度額60万円以内)」
・雇用保険の給付・他の公的給付・貸付を受ける場合は、総合支援資金貸付の利用はできない。
ただし住宅手当の対象者は、原則として総合支援資金貸付を併用できる(住居が無い場合は、住宅手当の併用が必須要件になる)。
・連帯保証人は原則必要だが、無くとも貸付は受けられる。
・貸付利率は年1.5%(連帯保証人がいる場合には無利子)。
・有利子の場合には、半年間元利据え置き。
・有利子・無利子いずれでも、償還期間は20年以内(6ヶ月据置期間経過後)。
詳しくは、以下のサイトをご参照ください.
・生活福祉資金について(総合支援資金)(全国社会福祉協議会)
・「総合支援資金貸付」に関するQ&A(厚生労働省)
・「臨時特例つなぎ資金貸付」
ハローワークや自治体でせっかく支援制度の申請を行っても、実際に自分の口座へ振込が行われるまでには、ある程度の日数がかかります。
そのため、この間の生活を維持することが困難な住居のない離職者に当座の生活のつなぎ資金を貸し付けるのが、「臨時特例つなぎ資金貸付」制度です。
10万円を上限として、無利子・連帯保証人不要で貸付を受けることができます。
貸付の条件は、「住居のない離職者であって、すでに離職者支援のための公的貸付・給付制度の申請を受理されていること」そして「金融機関に口座を持っていること」の2点です。
本制度の申込相談は、市町村の社会福祉協議会で受け付けています。
・臨時特例つなぎ資金貸付制度の概要(厚生労働省)
知っておきたい、国・公的機関の失業者向け支援制度(3) に続きます。